雑記

高齢者の胃瘻造説【パーキンソン病とともに】自宅介護を考える。

困った女性
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お医者さんから、おじいちゃんに胃瘻の造設を考えてくださいと言われたよ。
困った男性
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胃瘻?

初めて聞くなぁ?

どうしよう?

今日は、医者から、高齢者に胃瘻の処置を薦められた場合どうしたらいいのか?悩んでる方に、実際に胃瘻をしている家族を持ち、5年自宅介護した経験をもとに、胃瘻による本人の気持ちの変化と家族の気持ちを中心に、メリットとデメリットをご紹介します。

胃瘻

胃瘻とは 腹壁を切開して胃内に管を通し、食物や水・医薬品を流入させ投与するための医療処置である。(←ウィキペディアより)

病気ではなく、医療処置の事なんです。

何らかの病気の症状や、事故などにより、口からの食事が困難となってしまう場合、栄養などを直接・胃に流し込む処置と言ったら分かりやすいですね。

胃瘻造設に悩む

胃瘻造設には、事故などの生命維持を優先して、緊急に医師の判断によって行われる場合と、高齢者に対して食事介護の面から家族に医師から判断を委ねられる場合があります。

ここでは家族の同意が必要な高齢者に対する胃瘻造設について書いています。

私は、実際に81歳のお義父さんが、パーキンソン病による、筋肉の衰えにより、口から食物を食べ、飲み込む事が困難になり 誤嚥して肺炎になってしまう可能性を減らすために、胃瘻の造設を薦められました。

医師の間でも、高齢者胃瘻造設については、賛否両論あるようで、お義父さんのようなケースの場合のように胃瘻しないと、すぐに死んでしまうわけでもなく、全く、口から食事出来てないというわけでもない場合は、本人や家族の希望で、胃瘻の造設をするのです。

最近では、セカンドオピニオンという方法もあるので、他の医師にも相談しました。

そちらは、家族の食事の用意の仕方をとろみをつけたり、小さくしたりする等の工夫をする事で対応できて、まだ胃瘻は必要ではないのでは?という意見でした。

実際に胃瘻を薦められてから、3か月ほど本人も悩んでいたので、急を要する造設ではなかったという事実はあります。

何より、私達、家族が悩んだのは、人として食事をする事は生きていくうえで何よりも楽しみな事であるし、今は、まだ、その楽しみを味わえてるのに、パーキンソン病による誤嚥の恐れがあるからという理由で、胃瘻造設するべきかという点でした。

実際当時は、お義母さんと二人暮らしで、きちんと食事をしてなったので、お義父さんが衰弱していた事実もありました。

胃瘻によるメリットとデメリット

ここでは実際に胃瘻を造設したと当時81歳のお義父さんと、自宅介護をした私の経験から、メンタル面のメリットとデメリットを中心にご紹介します。

メリット

本人

食物などを口から摂取すのではないので、肺や他の臓器への誤嚥がなく、安全に栄養が摂取できます。

本人の体調が悪い時でも寝たままで処置できるので、食事による体力的な負担が減ります。

介護する家族

胃瘻では、専用の流動食が缶入りであるので、食事の用意が簡単です。

デメリット

本人

口から食べるという行動をしないので、「味わう」という事が出来ず、食事を楽しむという事が出来なくなります。

胃瘻造設の為に、手術が必要で、胃瘻器具の劣化に伴い4~6か月に1度・器具交換のための処置が必要です。

造設手術には切開の為に全身麻酔が必要なので、検査・手術・経過などで1か月ほどの入院が必要ですが、器具交換と器具を外す処置は外来で2時間ほどですみます。

介護する家族

胃瘻は毎日食事の代わりに行う処置なので、当然1日3回処置しなければいけません。

お義父さんの場合、流動食缶250ミリが1日4本必要で、1回に1時間半ほどかけて流し込みますので、胃瘻処置による拘束時間が長く休日はありません。

胃瘻処置の手順と方法を覚えなくてはいけません。

本人の腹の部分に、胃につながった管と器具が付いているので、清潔にする事と着替えなどでひっかけて、引き抜いてしまわないよう気を付けた介護が必要になります。

高齢者の胃瘻造設

お義父さんの場合は、パーキンソン病によって食事がしにくくなり、リハビリできるほどの体力がなくなっていたので、しっかりと栄養をつけ、体力を戻して、リハビリをし、元気になったら胃瘻を外すという事で、胃瘻の造設を決めました。

胃瘻処置は、事故などで一時的に口から栄養を摂取できない時に取られる医療処置ですので、その点が改善されれば、いつでも簡単に器具を外せる処置なんです。

医師にも「リハビリして食べれるようになったら、外しましょうね」と言われました。

ここでは実際に81歳のお義父さんが胃瘻をして、家族が思う良かったこと、綺麗ごとではない胃瘻をして感じた落とし穴をご紹介します。

よかったこと

実際に胃瘻を造設したお義父さん(81歳)は、手術当日 身長175cm・43キでしたが、胃瘻によって、1か月で、55キロまで体重が増え、体力がついたので、運動したり、飲み込む練習をしたりして食べれるようになりました。

体力がついた事で、リハビリが可能になり、趣味のグランドゴルフも楽しんでいて、現在85歳で体重は57キロを維持しています。

リハビリのおかげで、パーキンソン病の症状も 安定していて、ここ数年、進行していないと医師も驚くほど元気です。

医師から「このままだと、生きていくうえで必要な養分が摂取できず、餓死状態になって大変危ないですよ。」といわれた当時を振り返れば、胃瘻を造設してよかったと心から思います。

落とし穴

ここでは元気になったお義父さんをみて、正直に思う胃瘻による落とし穴をご紹介します。

高齢者の胃瘻造設でのメリットで紹介した「寝たままで、食事がとれる」「食事の用意の必要がない」この事は高齢者にとって、絶大なメリットのようで、お義父さんは胃瘻による介護者の苦労よりも『自分の楽』を優先して、「体重や運動機能が改善しました」と医師に判断されてから今日まで、そしてこれからも、胃瘻器具をつけており、毎日ベットで横になったまま胃瘻をしております。

造設を決めた時、「手術は嫌だ」「食べる楽しみを取り上げないでくれ」と言っていったお義父さんが、今は、寝たまま点滴を受けるように、栄養ドリンクを胃に流し込んでいます。

胃瘻をする人が お義父さんのように高齢者なら、こんな事になってしまうんだという事を胃瘻をするまでわからなっかことですし、思いもよりませんでした。

胃瘻をするという事で、新しい食事の習慣を作ってしまい、高齢者にはそれが当たり前になってしまい、自分で楽しみながら食事をする事をやめてしまいました。

胃瘻を薦めた医師に相談したのですが、「本人が外したくないものなら、付けたままでもいいでしょう。

使わないようにして、また必要になった時に使い、本人が外したいと思った時外したらどうですか。

造設には入院が必要ですが、外すのは簡単ですから」と言われました。

現在も5か月に1度は器具の交換をしながら、お義父さんの気分と都合で胃瘻しています。

人は楽な方に慣れてしまうと言いますが、老人のわがままが加わった考えになると、本当に 質が悪いです

生きてほしい・元気になってほしいと願って、胃瘻造設してもらいましたが、元気になっても外さず、気分で利用しています。

飲み込むという事ですが、誤嚥の検査でお父さんは水分のように、さらさらしたものを飲み込む時、誤嚥率が高くなるのですが、現在はジュースなどをストローで飲めるほど回復して、パンなど、入れ歯でも噛みきれる物は何でも食べますが、それはおやつや、食べたい物の時で食事は胃瘻に頼ってるという何とも勝手な事をしてます。

外そうと相談しても「保険のような物だから」と言ってききません。

高齢者の胃瘻造設に、こんな落とし穴があるとは思ってもいませんでした。

まとめ

何度も言いますが、胃瘻は病気でなく、直接、胃に栄養を送るための処置です。

老人ならその処置を自分で行う事は出来ないので、処置するための人が必要になります。

拘束時間が1日6時間といった自宅介護には、付き合ってられないと、元気になったのだから、私は相手にしてないのですが、現在は、お義母さんが、お義父さんの食事の用意をしなくていいからと栄養缶を胃瘻してます。

専用の栄養缶も胃瘻に必要な器具も自分で、ネットなどで買う事ができます。

年寄りが胃瘻によって感じたメリットが、こんなにも怠慢な考えと行動になってしまう事を、家族は予測して決断してください。

胃瘻をしている老人が病気などで入院した場合、胃瘻を延命として利用するかは家族の判断です。

その時、使わないと家族は、言えますが、そんな時にそんな 判断をしなければならないのなら、元気になったら外すことを決めておきましょう。

私のお義父さんのように、リハビリによって食事が出来るようになったとしても、高齢者が感じたメリットの部分からなのか、保険としてのお守りなのかはわかりませんが、きっと高齢者が胃瘻をしてしまうと、もう絶対、外す事はないと思ってください。

その先には、もし、倒れて入院が必要になった時、胃瘻は病院の中での食事介護の負担は軽減されますが、胃瘻による延命も考えられ、その時の家族の負担も予測しておかなければいけないという事です。

医師の判断で、どうしてもしなければならない胃瘻造設の場合でなく、家族や本人の判断による高齢者の胃瘻造設の判断はより慎重になる必要があります。

お義父さんの担当の医師が「本来、必要なくなったら外す事を薦めるのですが、老人の場合、近い将来、また胃瘻に頼った方が長生きできる場合が多いので、きちんと器具のメンテナンスができるなら、つけたままにしててもいいのでないでしょうか」と言っていました。

これが胃瘻にたいする医師・本人と家族の考えの方の実態です。

実際に経験した者にしか分からない事です。

医師に胃瘻の造設を高齢者に薦められたら、造設から外すことまで、決める事の参考にしてください。

特に高齢者の胃瘻造設は本人をわがままにしてしまう可能性が大きいです。

お義父さんに、長生きしてほしい気持ちは、勿論ありますが、あの時、私達、家族が努力して食事を工夫して、体力をつけてもらっていれば、時間はかかったかもしれないけど、こんなふうに胃瘻に対して、わがままな考えを持つお義父さんにはならなかったんです。

高齢者の胃瘻増設の判断は本当に難しい問題です。

医師に高齢者の胃瘻を薦められたら、「とることができますよ」という言葉は信じないでください。

胃瘻によって体力などの改善が見られても、高齢者は自分から外すことを絶対に望みませんし、衰弱したままなら、なおさら、最後まで絶対に外すことはありません。

最後まで読んでくださり本当にありがとうございまいた。